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ドン小西のファッション激辛丼

【312】今年はこうなる! By ドン小西[2010/01/06]

 皆さん、明けましておめでとうございます!

 ドン小西は今年、年男で還暦なのだ。40年近くファッション業界に身を置いてきて、ここ数年、これほど業界に不信感と絶望感を抱いたのは初めてだ。

 と、いきなり冒頭から暗い話だが、昨年、最近数が少なくなったデザイン契約は中断されるわ、ライセンス契約は切られるわでさぁ。ついに、ファッションでの僕の収入は全体の3割を切ったというのだから、ただ事ではないのだ。近頃、自分の肩書もどうしようかって思ってるぐらいだもんな。

 そして、昨年の11月に行われた東京コレクションでも、絶望感を抱いちゃったよな。なんせ、レベルが低いのにはビックリ。ジャーナリストから良いと言われるデザイナーはって言うと、時代の空気を捉えてる、つまり時代にどれだけ迎合しているかが、良い悪いの基準だったりするわけなんだよ。もう、クリエーションとかデザインというレベルではない。

 他はというと、パリやミラノのコレクションのトレンドをつなぎ合わせたもん。先輩の僕から言わせてもらえば……モデルに服着せて、音楽流して、怪しい照明当てれば、一応ファッションショーっぽくは見える。「おまえら、勘違いしてるっつーの」って、言いたかったね。

 それに会場の空気もまた、よくないんだよ。観客が、華が全くないというか、アカ抜けないというか。ファッションって、もっとカッコイイもんだったのになぁと、会場でつぶやいちゃったもんな。

 ジャーナリスト達も、うんと昔からの顔なじみばかりで、オレなんか古巣に戻って同窓会に参加したって感じだったんだけど、他を寄せ付けない、独特のムード満載なんだよ。若手を発掘し、それをどうプロデュースしていくか、逆に、プロデュースできる人もいるのかよって思っちゃったぐらいだよ。

 まあこれは悪口ではなく、経済や社会性を無視できない一搬大衆を相手にした仕事をしている僕だから感じたことなんだがね。たぶん、業界のうずの中の人達はほとんど、これに気がついてないと思うんだ。

 なぜ、新年からこんな事をあえて言うかっていうと、今年はハッキリ言って、昨年より間違いなく不況が厳しさを増すと思う。今、世界的にも社会的にも環境問題が深刻化している。その中で、ファッション業界は何をやるべきかという事も、真剣に考えてみるべきではないか。そして、もっと自分達の役割を明確にしなきゃいけないんじゃないかと思うからなのだ。

 あまり明るくない話になったので、話を切り替える事にしよう。

 それじゃあ、2010年はどんなファッションかというと、ズバリ、テーマは自然回帰。中心になる色はというと、スキンベージュ、サンドベージュ、アースカラー。モチーフはというと、花、動物、フルーツ、エスニック柄全般。そして中でもアフリカンエスニック。アイテムは、ショートパンツ、シャツワンピ、シャツジャケット。

 つまり、色は肌色や大地の色といったナチュラル、モチーフは自然界から、アイテムはリラックス感。まあ、本当の意味での自然回帰なんだな。

 実は昨年も、自然回帰と言われたんだが、その反面、80年代ロックテイストもトレンドだった。気持ちだけでも不況を吹っ飛ばせとばかりに、がんばろうとしたんだけど、結局、どうにもこうにも不況は悪くなる一方。しいて言えば、90年代のあのバブルが崩壊した後の、限られた条件の中で、どうやって付加価値をつけられるか。試行錯誤した90年代が手本になるのではないか、とも思える。

 デザイナーだって、何でもないものにどう新しい価値観を吹き込むかが勝負。つまり実力が試される時代になったって事だ。

 デザイナーだけでなく、売れてるもののデータを基にして作ってきた小ずるいメーカーや、コピーをして食いつないできたブランド、そして海外でちょっと買い付けてきては我がもの顔で商売をしていたセレクトショップだって、ここいらあたりで2流3流は淘汰されていくんだと思う。

 考えようになっちゃ、こういう環境の人達に、どうでもいい商品を作らせないって事も、ハッキリ言ってエコにつながるんだと思う。

 人ごとではなく、僕も楽な年ではないと思う。常日頃、「オレの代わりはない!」をモットーとしているドン小西としても、真の21世紀、常にハラハラドキドキ、ビクビクは覚悟し、異端児で突っ走って行くつもりだ。そして ファッションだって、旬である、オレにしかできないものを発信していくつもりです。今年も皆さんヨロシク!

(Text/Akiko Takeuchi)

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